正夢絵本
「そうか…そういう事か…。つまり私が寝る前から今回の望みは“空を飛びたい”だったから今イベントをしているあのデパートで目が覚めたんだ。そして私がくじを引き当てる事でその望みを叶えたんだ…。」
沙耶はふむふむと推理していく。
「非現実的な事はそれに近しい事で叶えてくれるんだ……私は自分の力で空を飛びたいってつもりで願ったのに…。」
意外にもファンタスティックな思想を持ち合わせている沙耶であった。
「それにしてもどうせ空を“飛行機”で飛ばしてくれるならハワイの方が良かったのに。」
ぶすっと口を尖らせる沙耶。
しかし取りあえずあの本は"形"だけでも叶えてくれたことには変わりないので、これ以上ぼやくのは止めた。
次の日、沙耶は夢通り北海道旅行を見事当ててみせた。ただ違っていたのは夢の中ではハワイを当てる事が出来ずに素直に喜べなかった沙耶が現実世界では普通に喜んでいた事である。