正夢絵本
3 事故
北海道旅行から帰ってきてニ週間が経とうとしていた。
旅行から帰ってきたあとも相変わらず沙耶の"黒い本実験"は続き、本に記載されたページもあと少しで60ページになろうとしていた。


「へーけっこういろんな望み叶えてもらったんだなぁ。」


お風呂上がりに何気なく今まで叶えてもらってきたページをぺらぺらとめくり感心していた。

今まで叶えてもらった望みにはどうでもいいようなくだらない事から本当に叶えてもらいたい事まで様々であった。


「ふぁぁぁ…そういえば最近夢ばっかり見てるから全然寝た気がしないんだよね〜」


ここ最近立て続けに本を使って寝ていた沙耶は疲れが出始めていた。

それもそのはず、普通の人がレム睡眠とノンレム睡眠を交互に見るのに対して、沙耶の場合、本を使って寝た時はレム睡眠しか見ていないのである。しかも普通の夢と違い夢の中でも自由に動く事の出来る沙耶にとって一日中起きているのと同じ事だからである。


「ふぁぁ、取り敢えず今日は"普通"に寝ようっと。」


そういうと目覚まし時計をセットし、そのまま眠りに入った。
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