正夢絵本
次の日沙耶はしっかりと目覚ましの音で目を覚ました。
本人はあまりの寝不足で"また"以前のような寝坊をするのではないかと少し不安だったがそれも取り越し苦労として終わった。

しかし一回本を使わずに寝たからといって完全に疲れがとれた訳でもなく、案の定眠気も少し残っていた。






「ふぁぁぁ…」

「ちょっと、沙耶!」

「ふぇ……はっ!」


不覚にも取引先で欠伸をしてしまった。しかも特大の。その後取引が終わるまで沙耶は小さくなっていた。





「ちょっと沙耶どうしたの?なんか最近すごく眠そうだけど」


取引終了後、一緒に来ていた中原があまりに眠そうにしている沙耶を見兼ねて少し時間があるからと言い近くの喫茶店へ入った。


「うーん…最近夢ばっかり見てて寝た気がしないんだよね〜」


別にこれくらいのことを言っても本の正体はバレることはないだろうと思った沙耶はそう言った。


「なんだそれ。不眠症とかじゃなくて?」

「そう。」


アイスコーヒーを飲みながら寝てしまいそうな沙耶がそう答えると中原は不思議そうな顔をした。
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