正夢絵本
何だかここまで黒いと奇妙だなと思うより、不気味だなと思ってしまう一冊である。
中身を確認しようと開いてみるとこれまた奇妙なことにすべてのページが何も書かれていないただの白い紙であった。
しかし、よく注意しながらページをめくると、3ページ目に小さく黒文字で『貴方の望み叶います』と書かれていた。
それを見た途端沙耶の脳裏からは不気味という感覚は消え失せ、逆にこの本に対して興味を抱き始めた。
何回か黒い本のページを丁寧に見直し、他に何も書かれていない事を確認すると沙耶は決心し、その黒い本を店主である老人の元へと持っていった。
「あの。この本おいくらですか。」
老人は細めていた眼をいくらか見開いてその本を見た。暫くそれを見つめ、次に手に取り本をパラパラと見たかと思えば今度は沙耶の顔を不思議そうに覗き込んできた。
「この本はこの店の中にあったのかね?」
「えっあっはい…。奥の棚にありましたけど…」
老人はポリポリと頭を掻き、低くうーんと唸り声をあげた。
「おかしいのー。こんな本、買い取った覚えがないんだが……。」
老人は首をかしげて考え込んでいたが、暫くすると手にしていた本を沙耶に渡した。
中身を確認しようと開いてみるとこれまた奇妙なことにすべてのページが何も書かれていないただの白い紙であった。
しかし、よく注意しながらページをめくると、3ページ目に小さく黒文字で『貴方の望み叶います』と書かれていた。
それを見た途端沙耶の脳裏からは不気味という感覚は消え失せ、逆にこの本に対して興味を抱き始めた。
何回か黒い本のページを丁寧に見直し、他に何も書かれていない事を確認すると沙耶は決心し、その黒い本を店主である老人の元へと持っていった。
「あの。この本おいくらですか。」
老人は細めていた眼をいくらか見開いてその本を見た。暫くそれを見つめ、次に手に取り本をパラパラと見たかと思えば今度は沙耶の顔を不思議そうに覗き込んできた。
「この本はこの店の中にあったのかね?」
「えっあっはい…。奥の棚にありましたけど…」
老人はポリポリと頭を掻き、低くうーんと唸り声をあげた。
「おかしいのー。こんな本、買い取った覚えがないんだが……。」
老人は首をかしげて考え込んでいたが、暫くすると手にしていた本を沙耶に渡した。