正夢絵本
｢…―うーん…｣


沙耶は寝返りをうつとむくりと起きた。


｢あーうたた寝しちゃったのかぁー。｣


時計を見ると20時半を回っている。
空腹を感じた沙耶はベッドから立ち上がりゆっくりキッチンへと歩いて行った。
寝起きでまだ少しだけぼーっとしている頭で夕ご飯は何にしようかなと考えながら冷蔵庫を開けた。しかし予期せぬ事態が発生してしまった。


｢……あれ？｣


なんと冷蔵庫のなかは調味料類とゼリーが1個入っているだけだった。
さすがにゼリー1個では空腹を満たす事が出来ない。
はぁと大きなため息をつき冷蔵庫を閉めた。
仕方なくベッドに仰向けになった。


(あーお腹すいたな……誰か食べ物持ってきてくれないかな〜コロッケとか食べたいな〜…)


丁度その時だった。


ピンポーン


沙耶はベッドから起き上がり玄関へと向かった。


｢はいはーい、誰ですかー？｣


そう言いながらドアを開けると、そこには沙耶とは同じマンションで隣に住んでいる50代くらいのおばさんである関さんが立っていた。


｢こんばんは。実は今日コロッケ作ったのよ。よかったら沙耶ちゃんも食べてちょうだい。｣
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