天国と地獄の境界線がなくなる前に僕はもっとやるべきことがあったのかもしれない
 鬼やべぇマジやべぇ。これが世界がひとつになった初めての瞬間であったように思う。

 というのも、事件発生と記者会見後には情報網、通信網がうまく機能しなくなってからというもの実際に世界が今どうなっているのかがうまくイメージできないわけで、日本が今どうなっているのかというのも、なんとなくは想像はできる。多くの人が、とにかく鬼から逃げるだけの生活をしているのだろう。

 逃げるというのも限界がある。生き延びる手段としてひとりでいると襲われないらしいという怪情報を信じて今の今まで生きていたわけだ。

 おかげで恐ろしい目にあってはいないが、ひとりぼっちすぎるというのがここまで気が変になるものだなんて、思ってもみなかった。

 前も1人ではあったのだけど。
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