タクシー運転手と俺
帽子を脱いだ顔を良く見ると俺より若いように見えた。
運転手は、自動販売機の場所まで車を移動した。
運転手が完全に気分を良くしてる気配が伝わって来た。
俺だってほんの何時間前まで気分は、良かったのに人間いつどうなることやらとちょっぴりだけセンチメンタルな気分になった。
だがセンチメンタルな気分は、松本伊予ちゃんに押し付けて俺は、冷静になろうと努めた。
自動販売機の前に車を停めると運転手は、着ていたベストも脱いでタクシーを降りた。
どれだけ気合い入れてんだこいつはと思ったが、タクシーを降りると意外に背が高いのに驚いた。
まぁ、仕方ない今更なるようになると俺は、腹をくくってタクシーを降りた。
自動販売機の前は雑草が生えた小さい空き地になっていた。
秋の匂いがしたのと俺自身が自分で思っている以上に酔ってる事に気付かされた。