君との甘い時間。~金髪ヤンキー×生徒会長な君~
戸惑う前に体は動いた。
明日香ちゃんの隣に座る。
出会ったときを思い出してふと思った。
普段は自信に満ち溢れていそうで凛としている彼女も、
弱いんだ。
不良に叫んだり注意したり
他の女子にぶたれたり何か言われたら、
怖いんだ。
「俺、金髪だけど、アクセサリーめっちゃつけてるけど…もう人を傷つけたくねーんだ」
絞りでた言葉はその程度のことだった。
結局は自分になってしまう。
すすり声は止まない。
すっと目の前に指輪が出た。
「ごめん。返す」
金髪で、ちゃらちゃらしていて。
目付きの悪い俺にきっとビビっただろう。
それでも彼女は自分は生徒会長だから。
自分は風紀委員長だから。
無理矢理自分を勇気づけて
無理矢理自分に行動させて
無理矢理自分に言い聞かせて
どうすればいいのかわからなかった。
受けとれば彼女はこれ以上傷つかないのか?
受け取らなければ彼女はこれ以上傷つかないのか?