ハッピーエンドに憧れて


「お前の家どこ?」

「あ、駅の近くです」


「良かったな、俺の家結構近いわ」


久野くんが無邪気に笑った。


「そうなんですか?」


「ほら、行くぞ」

久野くんが立ち上がる。

どうしたんだろ?


「どこに?」

「靴箱、特別に送っていってやる」


「えっ、いいよ」

「いいから」

半ば強制的に送られることになった。



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