ハッピーエンドに憧れて
「でも、意外でした」
「なにが?」
「久野くんて
冷たそうなのに、本当は優しいんですね」
自然と敬語になる口調。
いい人だな。
「なに「優奈」
見覚えのある声が聞こえる。
「あ…功ちゃん!
じゃなかった功介先輩っ」
功ちゃんが靴箱で待っていた。
「どうしたの?」
「部活早く終わったからさ」
「あたしより、美奈子先輩いいの?」
あたしの前に久野くんが立つ。
功ちゃんに言った。
「先輩、俺が送っていくんで」