ハッピーエンドに憧れて
『優奈っ、ごめん。
今日遅くなるから
功介くん家でお夕飯食べてねっ』
慌ただしい声が機械音となり消えた。
あんなこと言われたから行きたくないな…
功ちゃんのこと、諦めようかな。
「優奈ー」
玄関から功ちゃんの声が聞こえた。
「あ…はーい」
ドアをあけると無邪気に笑う功ちゃんがいた。
「おばさんから連絡あったから迎えに来た」
「すぐそこだから、別にいいのに」
あたしは靴を履いて
功ちゃんの家に向かう。
功ちゃんの家、何年ぶりだろう。