*小さな光*−幸せな未来へ−
「もう、戻ろっか。みんな、心配するし。」
そう言った律の手をあたしは咄嗟に掴んだ。
「!?」
律は、驚いていた。
「あ、愛??」
「…ない。」
「え…??」
「戻りたくない…。律と2人で見たい…。」
あたしの手にだんだん熱がこもる。
その手を律は握り返した。
「俺も。2人きりで見たい。」
律は優しく微笑んだ。
同じ気持ちなんだ。
そう思っただけで、こんなに心が温かくなった。
『それでは、準備ができましたので、海のイルミネーションをはじめまーす!!』
そのアナウンスとともに、イルミネーションが点灯した。
「うわー…。きれい…。」
海一面に光るイルミネーションは、言葉を失うほどの美しさだった。