*小さな光*−幸せな未来へ−



そして、あたしは話し始めた。


「あたしね、いじめ受けてたの…。原因はこの顔…。」


「顔??」


「うん。この顔のせいで友達の好きな人とちゃったんだ…。それでいじめの対象になった。最初は、我慢できたけど、日に日にいじめはエスカレートしていって…。親友にも裏切られて…。とうとうたえられなくなった…。」


あたしの目からは自然と涙が溢れてきた。


そして、体が震えた。


そんなあたしを、律は優しく抱きしめてくれた。


「だから、あたしは自殺しようって決めた。自殺するとき、全然怖くなかった。むしろ清々しかった。こんな腐った世の中から出て行けるんだって…。でも、死んでなかった。最初はショックだった。だけど、泣いている家族の姿を見たら、何やってるんだろうって思った。」



「後悔してるの??」


「うん。すごく後悔してる。だから、あたしはこれからはちゃんと生きようって思った。死ねなかったのには、何か理由があるかもしれない…。神様はあたしにチャンスをくれたんだって思ってね。」


「うん…。」


「だから、早く退院できるようにリハビリとかがんばった。そして、退院できたとき、すごくうれしかった。家族もすごく喜んでくれたし、家でパーティーまでしてくれた。それに、お母さんたちはあたしがいじめを受けていたことを知ってたから、転校して、新しい生活をおくれるんだって思うと、ワクワクした感情も生まれた。」







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