*小さな光*−幸せな未来へ−
「愛みたいに、心の病気でこの施設にいる子だってたくさんいるんだ。」
「え…??」
「もちろん、愛よりももっと重症な子だっている。そんな子供をなんで親はこの施設に預けると思う??」
「…わからない。」
「人との温かさを触れ合ってほしいからだよ。」
「え…??」
「たいてい、うつ病にかかっている子は人間関係が原因だ。だから、人との温もりを知らない子がたくさんいる。そんな子供たちに人との温もりを感じて欲しい…そういう願いがあるから、親は、心配だろうけどもこの施設に子供を預けているんだ。」
「あ…。」
律の言葉を聞いて、お母さんの口癖を思い出した。
「愛…。あなたはたくさんの人に愛されなさい…。そして、たくさんの人を愛しなさい…。」
あたしの脳裏にはお母さんの笑顔。
どうして、あたしは気づかなかったんだろう…。
お母さんたちは、いつもあたしのことを考えていたことを…。