男子二人、女子一人。健全なる共同生活。
「なんだ、認めないんだ。つまんない」
清花はそう言うと、まるで新体操のように美しい動きでのびをし、くるりと背を向けました。


そのまま帰ろうとした清花に、礼音は思わず声をかけました。

「なんで話しかけてくれたの?」
清花は身体ごと、優雅に振り返りましたが、その表情はいつも学校でみせる無関心な顔に戻っていました。

「私、犬飼くんと実験の班が同じだから。好きなら橋渡しくらいできるかしらと思ったのだけれど」


そしてまた背を向けながら続けました。
「ゲイじゃなかったのなら、あなたとはお話したくないわ」


「……」
立ち去ろうとする清花を、礼音が再度呼び止めてしまったのは。

なぜでしょう。
相手はノーマル、片思いで充分だと思っていたのに、やはり恋は貪欲なのでしょうか?
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