男子二人、女子一人。健全なる共同生活。
そういえば清花は、実験中も不必要な会話は一切しないことで有名でした。


彼女と話せると期待した多くの男子生徒が、二年生になって実験班での行動にわくわくし、そしてがっかりしました。

そもそも一般教養棟への登校にも、清花はタクシーで乗り付けているという噂さえありました。

それはまぁ、薬学部棟にも徒歩で登校して来る彼女が、自転車に乗っている姿を誰も見たことがないためでもありましまが。


もちろん、そんな小笠原清花の行動は、多くの女子の反感を買っていましたが、かといって女子とも話さない彼女には何ら不都合はないようでした。


礼音はしばらく考えて、そしてようやく落ち着いて、聞くべきことを思い出しました。

「なんで分かったの?」
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