青空バスケ―another story―

学校を出て、七海と並んで歩く。


「もう暗いから送ってくよ。
家どっち?」

「……いい。
今日はあたしがハル君を送ってく」

「え……?
……ぷっ、何それ」


思わず吹き出した俺。

まさかの返事だった。


「だって……ハル君、疲れた顔してるから」

「大丈夫だって」

「それに、あたしが勝手に待ってただけだから。
……ね?お願い」

「………誰かに何か言われた?」


俺がそう聞くと、七海はピクッと反応した。

……やっぱり。


「誰に何言われたか知らないけど、俺は大丈夫だから」

「……ウソ。
そんなのウソでしょ」

「ウソじゃない。
俺は本当に大丈夫だから」


そう言って笑うと、七海の足が突然止まった。


「……そうやって、いつも自分の気持ちを隠してるの?」

「え……?」


七海はまっすぐ俺の目を見た。

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