青空バスケ―another story―
「……楽しくはなかったかな。
今までは何も考えずにやってきたから……。
改めて自分にどれだけの期待がかけられてるか知って………怯んだ」
「……ハル君」
七海はスッと俺から離れると、まっすぐな目で俺を見た。
「……あたし、ハル君に言いたいことがあるの」
「何?」
七海はもう一度俺の隣に座ると、ゆっくりと話始めた。
「……あたし、本当にバスケが好きでね。
中学の頃からこっそり体育館覗いて見てたりしてたんだ」
「へぇ……そんなに」
「高校に入って……初めてハル君を見たのも、その時」
「………え?」
俺を初めて見たとき……?
「……一人だけ、すごく楽しそうにバスケしてる人がいたの。
そこだけ世界が違うようにキラキラ輝いてて。
あ……この人、本当にバスケが好きなんだなって……そう思った」
「…………………」
「それがハル君だよ」