青空バスケ―another story―
住宅街の一つの家の前で俺は足を止めた。
七海が家の表札を見て、微笑んだ。
「じゃあ、ここで。
また明日ね」
「ちょっと待って」
「え?」
「そこで待ってて。
絶対に動くなよ」
「ちょっ……ハル君?」
門を開け、ドアを開けて家の中に入る。
靴も脱がないままカバンを玄関に置いて、すぐに家から出てきた。
「ハル君……?」
不思議そうに首を傾げる七海の横に立つ。
「送ってく」
「え……?」
「さすがに女の子一人で帰したりしないって」
「ハル君……」
ゆっくりと笑みを見せた七海の手を取り、二人で歩く。
ありがとう……。
そう、心の中で呟いて――