青空バスケ―another story―

「……話しちゃった」

「え?
あの王子様と?」


コクリとあたしが頷くと、キャー!と香織が興奮し始めた。


「よかったじゃん!
七海、ずっと好きだったもんね!」

「ちょっ……香織……」

「顔真っ赤にしちゃって。
可愛いな~、まったく」


うー……香織ったら。

……好きだったよ。

一目惚れしちゃったんだもん……。

あの楽しそうにバスケをする姿に……。


「あれ?
伊沢と浦山ってことは……席が……」

「……うん、前後」

「すごい!
もうそれはチャンスだよ!
グッと距離を縮めるべきだよ!」

「そんなこと言われても……」


……緊張しちゃうし。

ライバル多いし……。


「無理だよ~……」


あたしはコテン、とテーブルに突っ伏した。

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