青空バスケ―another story―

「俺、今スランプなんです」

「知ってる。
元に戻ろうと、お前が朝も放課後も自棄になって練習してることも」


……部長、知ってたんだ。

そのことに驚いた。

ちゃんと、俺のこと見てたんだ……。


「……シュートもできない今の俺がチームに入ったところで、足を引っ張るだけです」

「試合はもう明日だしな」

「はい。
だから……俺を外してください」


部長がしばらく俺をじっと見つめる……と、小さく笑った。


「監督、こう言ってますけど」

「……昨日俺が言ったこと、分かったのか」

「はい。
……これからそれを取り戻してきます」

「堂島。
お前の跡継ぎが堂々とサボリ宣言してるんだが」

「いいんじゃないんですか?
それでスッキリするなら。
な?陽斗」

「ありがとうございます!」


これから行ってくる。

俺が失った……大事なものを拾いに。

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