青空バスケ―another story―

あれから二日。

いまだに候補者すら見つからない。


「もうさ、ハルがちょっとオトしてきてよ」

「はぁ?」

「“僕のマネージャーやってくれないか?”ってハルが言えば、どんな女でも絶対オトせるよ!」

「つーか、女限定なわけ?」

「何言ってんの、侑ちゃん!
クリスマスをむさ苦しい男共だけで過ごしたいの!?」

「……じゃあ、松山でも誘ってこいよ」

「は!
そうか、その手が……!
俺、ちょっと香織ちゃん誘ってくる!」


そう言うと、イツはものすごい勢いで教室を飛び出して行った。


「あーあ……行っちゃった」

「結果が楽しみだな」

「侑哉……絶対楽しんでるだろ」

「松山がどう出るかなー」


……心配だ。

こんなんであと五日以内に見つかるのか……。


「陽斗は?
伊沢誘ったりしないの?
ほら、クリスマスだし」

「あー……それは無理だと思う」


クリスマスは家族と過ごすんだろうし。

海里もきっとお姉ちゃんといたいだろうし……。

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