青空バスケ―another story―
「ところで、あたし達は何をしたらいいのかしら?」
「あぁ、それなら陽斗に聞いた方が……」
「その浦山はどこよ」
「……篠山、何か怒ってる?」
「まさか体育館がこんなに寒いとは思わなかったわ」
確かに……寒いね。
一年生達は汗かいてるけど……。
「あ、ハルいたよ」
イッ君が向こうの方を見ながら言った。
体育館の端の方で他の部員と何か話しているハル君。
何か……忙しそう。
「今日は監督が一年に付きっきりだから。
陽斗が二年に全部指示を出してるんだ」
「へぇ……」
すると、香織がツンツンとあたしの背中をつついてきた。
「ん?」
「ちょっと、七海。
あたし達が何したらいいか聞いてきてよ」
「え!?あたしが!?」
「そうね。それがいいわ。
七海、Go!」
あたしは犬ですか……。
でも……誰かは聞かなきゃいけないんだもんね。
……よし!
あたしはハル君の方へ一歩足を踏み出した。