青空バスケ―another story―
陽斗side

「帰りにファミレス寄ってこーよ!」

「俺、金ない」

「そんなっ!
ハルは!?」

「パス」

「えぇー!?」


部室で着替えながらイツが叫ぶ。

狭い部屋にイツの声がよく響く……。


「せっかくのクリスマスなんだからさ!
男三人で過ごそうや!!」

「だから金がないんだって」

「だからパス」

「二人ともヒドい!
タク、こういう人達どう思う!?」


イツが後輩の拓哉に声をかけた。

拓哉は俺達を見て小さく笑った。


「俺もイツ先輩とクリスマスは過ごしたくないっすよ~」

「何を!?
そんな生意気言う後輩はこうしてくれてやる!」

「ちょっ!
イツ先輩!痛い痛い!」

「じゃれるのはいいけど、ケガすんなよ~」

「えぇ!?
風見先輩、助けっ……」

「タクー!!」

「ちょっ、ギブ!ギブっす!!」


楽しそうで何よりだ。


「じゃあ、お先ー」


俺は手早く着替えると、さっさと部室を出た。


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