青空バスケ―another story―
チャイムが鳴って教室に戻ってきたイツは元気がなかった。
いつもみたいに騒がない。
……心配だ。
「ハル君……イッ君、大丈夫?」
「どうだろうな……。
今朝は張り切ってたのに……」
告白する……って。
多分放課後にするつもりだったんだよな?
……もう放課後なんだけど。
「陽斗。イツは?」
「イツ?教室の中にいるんじゃ……」
……いない。
あれ……どこ行ったんだろ。
「七海」
「萌りん。どうしたの?」
「香織のとこに行ったんだけどいなかったのよ。
七海のとこに来てるかと思ったんだけど……」
松山がいない……?
てことは……
「侑哉……まさか……」
「……そのまさか、だな」
「まさか?」
「何よ。何か知ってるの?」
七海と篠山が不思議そうにこっちを見た。