青空バスケ―another story―

俺達四人はイツと松山の姿を探していた。

どこ行ったんだろ……イツ。


「アイツ……相当ショック受けてたからな」

「中崎って松山と仲良かったの?」


俺が聞くと、七海はコクリと頷いた。


「去年はよく四人で一緒にいたんだ。
あたしと香織と白石君と中崎君。
中崎君はね、サッカー部のエースでみんなの人気者だったんだ」


へぇ……人気者。

そういえば何か聞いたことあるかも……。


そんなときだった。


「どうしたの?大崎君」


一つの空き教室から松山の声が聞こえてきた。

やっぱり……イツと一緒か。


その瞬間、全員が入り口の脇にスタンバイしてこっそり中を覗き始めた。


「ちょっ……ちょっと……みんな……」

「何よ。浦山だって気になるでしょ」

「人間の本能だ」

「ハル君も早く!」


コイツら……。


とか言いつつも、俺も気になるので覗く。


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