青空バスケ―another story―

「よかったね。
香織とイッ君」


侑哉と篠山と別れ、俺達は二人で例の公園にいた。


最近はよくこの公園で少し話してから帰る。


少しでも多く一緒にいたくて……二人で寄り添ってベンチに座る。


「ごめんねって言ったときはダメかと思ったんだけどな」

「お友達からだったね」

「松山のあの言い方だと十分見込みありそうだけど」

「香織は何だかんだ言って、イッ君のこと少しは意識してると思うよ」


上手くいくといいな。


イツと松山は俺と七海にとって大切な人だから。


「それで?
ハル君はいくつチョコを貰ったのかな?」

「えっ…………」


戸惑う俺を見てクスクス笑う七海。

……楽しんでるな、絶対。


「あたし、最近耐性ができたみたい」

「耐性って……」

「ハル君がいくら告白されても笑えるようになった」


そう言って笑う七海。


「何かそれ複雑……」

「でもね、それってきっと……あたしがハル君のことを信頼してるからだと思うんだ」

「信頼……」

「ハル君は大丈夫だって。
信じてるから」


にっこり笑う七海の頭をそっと撫でた。

もちろん告白されてもどうこうなるわけじゃないけど……それをちゃんと分かってくれてるっていうのが嬉しかった。





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