青空バスケ―another story―

リビングに戻ると、栞奈が宿題とにらめっこしていた。

宿題は元々持ってきてたらしい。


「ハル君……分かんない……」

「どれ?」

「これ……」


栞奈の隣に座って算数を教えてあげる。

おぉ……何かお兄ちゃんっぽい。


「栞奈、これ終わったらランドセル取りに行こっか」

「ランドセル?」

「明日から学校だろ?」

「あ、そっか!
明日は大和に会えるね!」


嬉しそうな栞奈。

大和は俺のイトコで栞奈の幼なじみ。


「ハル君も一緒にお家に来てくれる?」

「うん、行く。
カギはあるんだよな?」

「あるよ。
ハル君、もうこれで終わり」

「お。じゃあ、早速……」

「ランドセル取りに行こ!」

「ちょっ……栞奈!
コート着ないと寒いって!!」

「大丈夫!
子供は風の子だよ!」


そう言いながら栞奈はドア開けてそとに出た。


「あ……寒い」

「だから言ったろ」


栞奈にコートを着せてやると、栞奈はにっこり笑った。


「ありがと!ハル君」


……やっぱ妹っていいかも。

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