青空バスケ―another story―
7時ぴったりに海里のお父さんが迎えにきた。
だけど、その時海里は泣きながら俺に寄りかかって寝てしまっていた。
泣き疲れたのかな……。
俺は海里をおんぶしながらお父さんと一緒に歩いていた。
「ごめんな、迷惑かけて……」
「いえ……気にしないでください」
「海里、陽斗君に相当懐いてるみたいだな」
「俺も弟ができたみたいで嬉しいです」
海里は本当に弟みたいだった。
だから……
「……転勤、なさるんですか?」
「七海から聞いたのか……」
「いや、海里から……。
……さっきまで泣いてたんですよ」
え?とお父さんが驚いたように俺を見た。
「パリはどこかって聞かれて、教えてあげたんです。
そしたら……そんな遠いところに行くの?って……泣き始めて」
「そうか……」
「……自分が泣いたらお姉ちゃんが心配するから内緒だよって。
今朝も……お姉ちゃんには今日会うことはヒミツだからって言われて……」
お父さんは何とも言えない表情で俺の背中にいる海里を見ていた。