青空バスケ―another story―
ハル君が走ってくる。
息を切らしながら……。
「……やっぱり、ここにいた」
「ハル君……」
ハル君はグイッとあたしを引き寄せると力強く抱きしめた。
いつもの優しい感じとはちょっと違う……。
「……聞いたよ。
お父さんの転勤のこと……」
「……え?誰から……」
「海里と……お父さん」
いつの間に……?
驚いて何を言おうか迷ってると、ハル君が優しくあたしにはなしかけた。
「……七海がどっちを選ぶか分かってるよ」
「え………」
「……好きな方に行けばいい。
それが七海の決めたことなら……絶対間違ってないから」
「ハルくっ………」
……視界がぼやけた。
ハル君が笑いながらあたしの涙を拭ってくれた。