青空バスケ―another story―
イツの気持ちが何となく分かってきた。
些細なことでなぜか嬉しくなる。
それは恋で、俺は伊沢が好きだということ。
それを意識した瞬間、前よりもっと伊沢が可愛く見えた。
ふとした仕草に目を奪われる。
何とか話しかけようと、会話を探す。
「伊沢って松山と仲良いの?」
「香織?
仲は良いけど……香織のこと知ってるの?」
「え?
あー……うん、まぁ」
そんなに話したことはないけど。
イツがしょっちゅう話してるから、何か松山と親しい気になってきた。
ま、去年同じクラスだったし。
「香織はね、中学からの同級生なんだ」
「へぇ~。
じゃあ、かなり仲良しなんだ」
「うん!
香織は一番の親友だから!」
嬉しそうな笑顔。
本当に松山のことが好きなんだな。
イツとはちょっと違う感じだけど、松山のことを大切に思ってるのがよく伝わってくる。