青空バスケ―another story―
……七海はどれだけ悩んだんだろう。
家族と一緒にいたい気持ち。
友達とも一緒にいたい気持ち。
様々な思いが交錯する中で……一つの道を選んだ。
七海の家族に対する思いがどれだけのものかを俺は知ってる。
本当に心から愛していた人を失った父。
生まれてすぐ、顔も知らないまま母を失った弟。
そんな二人を支えるために、七海がどれだけ頑張ってきたか……。
それと同時に七海がどれだけ元気を貰っていたか……。
それを考えれば、七海が家族を選ぶのは当然だった。
そんな娘に自分の人生を歩いてほしい父。
姉に心配をかけまいと必死で自分の本音を押し殺す……まだ小学二年生の弟。
……こんなにもお互いを思い合っている家族を、俺は他に見たことがない。
そんな家族が……俺は大好きだ。