青空バスケ―another story―

今でも覚えてる。

一年前、初めて教室で会った日のこと。


あの時……俺の前にすわった七海に一目惚れして。

その瞬間……俺の人生で初めての本気の恋が始まった。


七海の無意識の言動にドキドキさせられて……。

お姉ちゃんとしての一面も見ることができて……。

一緒に過ごした時間全部が何より大切な思い出で……。


人を本気で好きになる幸せな気持ちを生まれて初めて知った。


それを教えてれたのは……他でもない七海なわけで。


「……七海」

「ハル君……」


お互いの名前を呼ぶ。


いくら呼ばれても物足りなく感じるのは何でなんだろう……。


ずっとそばにいてほしい。


そんな俺の我が儘のせいだろうか……。


「……大好きだよ」


最後に七海が言った言葉が……胸に深く染みた。


ずっと……待ってるから。

またいつか会える……その日まで――

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