青空バスケ―another story―
それから
陽斗side

翌日、七海はパリへと飛び立った。

空港まで見送りに行ったけど、その時はお互いに泣かなかった。

前日にたくさん泣いたからかもしれない。


その年の夏、俺達はインターハイに出場した。

イトコである大和と栞奈が見守る中、健闘した試合。

結果は初戦敗退だったけど、引退する俺達三年にとって悔いはなかった。


七海にももちろん報告した。


七海とは時々手紙を送りあった。

電話もメールもしたけど、料金が高いから……本当に少しだけ。


……だけど、そんな連絡は徐々に少なくなっていった。


俺も受験生だったし……お互いに忙しかったのかもしれない。


手紙の数もどんどん少なくなっていった。

電話やメールはほとんどしなくなった。


気づいたら……連絡が途絶えていた。


そして……七年の月日が経った。


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