青空バスケ―another story―

「……一つだけ教えてあげる」

「……何?」

「私ね、遠距離の末に結婚したのよ」

「遠距離って……え?
おじさんと?」


おばさんは笑顔で頷いた。

おじさんとおばさんが遠距離……。

何か想像できない……。


「高一の冬に私の父……あなたのおじいちゃんね。
おじいちゃんが転勤になったのよ。
海外とかじゃなくて、大阪に」


あぁ……そういえば親父が言ってたな。

少しだけ大阪に住んでた時期があった、って……。

そっか、じいちゃんの転勤だったのか……。


「その時、あの人と付き合ってたんだけどね……。
あの人が言ってくれたの。
俺はお前が帰ってくるまでずっと待ってる!って」


……まるで俺達みたいな展開だ。

あのおじさんが……。
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