青空バスケ―another story―
「先輩!
聞いてくださいよ!
何か不審者が……」
「は!?
だから怪しくないって!」
「不審者?」
先輩、と呼ばれた子が怪しそうに俺の方を見た。
だから違うんだって!
「いや……だからね、俺は……」
「何か高瀬先輩を呼べって言われました!」
「……大和?
……高瀬なら今、ここにはいませんが」
「え?いないの?」
「すぐに戻ってくると思いますけど……」
「……じゃあ、栞奈でいっか。
岬栞奈、呼んでくれる?」
俺がそう言った瞬間、二人の目が少しだけ変わった気がした。
「鈴山先輩、やっぱり怪しすぎます!」
何でそうなるの!
「高瀬先輩ならまだしも、岬先輩を危険な目に遭わせるわけにはいきません!」
大和ならいいんだ……。
……まぁ、栞奈は女の子だしな。