青空バスケ―another story―
「え!?
高瀬先輩のイトコ!?」
「今日は弁当を届けに来ただけって……。
……すみませんでした。
不審者扱いしてしまって……」
「ご、ごめんなさい!!」
大和が説明をすると、すぐに頭を下げた二人。
……うん、いい子達だ。
「いいって。
あんなとこで覗き込んでた俺も悪いし」
不審者ならともかく、ストーカー扱いされるとは思ってもみなかったけど……。
「それじゃあ、監督は何で知ってたんすか?」
鈴山、という名前の大和の同級生が監督に聞いた。
そういえばそうだ……。
俺はこの人のこと知らないけど……。
「どこかで見た顔なんだが……」
そう言いながら俺の顔を見る監督。
「ハル君もバスケやってたから、大会とかで見たことがあるんじゃないですか?」
栞奈の言葉に監督がハッ!と顔を上げた。
「思い出した!
アズイチの一年生エース、浦山だろ!」
「……え……あぁ。
そんなこともありましたっけ……ははっ」
あまりの勢いに俺は思わず後退りした。