青空バスケ―another story―
「俺、部活は絶対バスケがやりたくて。
バスケが強い高校に行きたいな~って思っててさ」
「それで三里の中等部に?」
「そ。編入したんだ。
今年の春に」
「今年……?
てことは、帰ってきて半年近くってことか」
知らなかった……。
「インターハイに出るのが夢で。
親父に無理言って、俺だけ帰国させてもらったんだ。
本当は来年でもよかったんだけど、日本の生活に慣れておこうかなって思って」
親父……。
パパって可愛く呼んでいた海里が……親父。
「俺だけ……ってことは、七海とお父さんはまだパリに?」
俺がそう聞くと、海里は驚いたように大きく目を見開いた。
「………え?」
「え?って……そうだろ?」
海里は目を見開かせたまま、ゆっくり首を横に振った。
「姉ちゃんは……二年前に帰国したけど……」
「………は?」