青空バスケ―another story―

「……そう。
七年も……」


あたしは唯に全部話した。

高校時代の恋。

ハル君との別れ。

七年も連絡取ってないこと……。


「それで……その人とは全然会ってないの?」

「うん……。
何か……会うのが怖くて」


そう言ってコーヒーを一口飲んだ。


「……まぁ、七年も連絡取ってないなら分からなくもないけど……。
でも……」

「ん……?」

「その人も七海のこと待ってるんじゃないの?」

「え………」


唯はにっこり微笑んだ。


「七海が帰ってくるのをずっと待ってるかも。
付き合う、付き合わないは別にして……日本にいることぐらい教えてあげたら?」

「……でも、どこにいるか分からないし……」


誰の連絡先も分からないの。

ハル君も……香織も萌りんもイッ君も風見君も……誰のも。

あたしはコーヒーをかき混ぜながら小さくため息をついた。



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