青空バスケ―another story―
だけど……こんなうじうじしてるあたしの運命を大きく変える出来事が、この数日後に起きた。
「七海、知ってる?」
「何を?」
「明日、大きな契約が取れるかもしれないって」
「大きな契約……?」
あたしが首を傾げると、さっきまでパソコンに目を向けていた久坂君が会話に入ってきた。
「あれだろ?
大手出版社の目に止まったってヤツ」
「そうそう。
明日、来るらしいわよ。
……オシャレしてこなくちゃ!」
「唯……」
「何でそんなに張り切るんだよ……」
「何言ってんの!
そんなエリートとお近づきになれるチャンスなんてそうそうないじゃない!」
まぁ、こんな小さな会社だとね。
滅多にないよね。
「女ってすげぇ……」
「あはは………」
唯のあまりの張り切り様に久坂君が軽く引いてた。