青空バスケ―another story―
その次の日。
唯は宣言通りいつもよりオシャレをしてきていた。
大手出版社か……。
どの会社だろう……?
「七海!七海!」
唯が小声であたしを呼んだ。
「どうしたの?」
「営業の人、あたし達と同い年ぐらいの人だった!
しかもカッコイイ!」
「よかったね、唯」
唯のテンションが高い……。
久坂君はそんな唯を見て呆れたようにため息をついていた。
「伊沢は?
そういうの興味ねぇの?」
「あたしは別に。
でも、唯があそこまで喜ぶなんて……どんな人なんだろう?」
「種見の好きそうな人ね……。
ま、背は高かったけど」
「え?
久坂君、見たの?」
「あぁ。
チラッとだけど」
ふぅん。
唯の方を見ると、唯は完全に別世界へ行っていた。
「アイツ……今日は仕事しそうにないな」
「しょうがないよ、唯だもん」
ま、社長と社員数名で切り盛りしてる本当に小さな会社だからね。
そんなに忙しくはないんだけど。