青空バスケ―another story―

その次の日。

唯は宣言通りいつもよりオシャレをしてきていた。


大手出版社か……。

どの会社だろう……?


「七海!七海!」


唯が小声であたしを呼んだ。


「どうしたの?」

「営業の人、あたし達と同い年ぐらいの人だった!
しかもカッコイイ!」

「よかったね、唯」


唯のテンションが高い……。

久坂君はそんな唯を見て呆れたようにため息をついていた。


「伊沢は?
そういうの興味ねぇの?」

「あたしは別に。
でも、唯があそこまで喜ぶなんて……どんな人なんだろう?」

「種見の好きそうな人ね……。
ま、背は高かったけど」

「え?
久坂君、見たの?」

「あぁ。
チラッとだけど」


ふぅん。


唯の方を見ると、唯は完全に別世界へ行っていた。


「アイツ……今日は仕事しそうにないな」

「しょうがないよ、唯だもん」


ま、社長と社員数名で切り盛りしてる本当に小さな会社だからね。

そんなに忙しくはないんだけど。




< 247 / 300 >

この作品をシェア

pagetop