青空バスケ―another story―
忘れられない
七海side

風見君と再会して一週間。

あたしは未だに何も行動をおこせないでいた……。


どうしよう……。


「んー………」


名刺を眺めたまま唸り声を出すあたし。

端から見たら変な人だ。


どうしよう……。


みんなに会いたい。

ハル君にも会いたい。

海里にも会いたい。


……でも、あと一歩が踏み出せない。


ハル君に会う勇気が……ない。


「伊沢、またそれ見てんのかよ」

「久坂君……」

「毎日昼休みになる度に見てねぇか?」

「そんなこと……」


……あります。


風見君と会ってから……いろいろと考えるようになった。

だけど……


「……はぁ」


こんなうじうじしてる自分が嫌……。


「会ってくれば?
気になるんでしょ?彼のこと」

「……彼?」

「あら、久坂。気になる?」

「……別に」


久坂君は立ち上がるとお財布を持って出ていった。


あたしもお昼行かないと……。


「よーし!
じゃあ、今日は七海の元気を出すために飲みに行こう!」

「唯……」

「元気が出ないときは飲むのが一番よ!
ね?」

「……ありがとう」



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