青空バスケ―another story―

「アイツと飲むのは大変だ……」

「楽しいけどね」

「お前はな」


あたしはグラスに少しだけ残っていたビールを飲むと、おつまみに手を伸ばした。


「……なぁ、伊沢」

「ん~?」

「お前と……あの風見って人。
どういう関係?」

「風見君は高校の同級生だよ」

「日本の?」

「うん。パリに行く前の」


……楽しかったなぁ、あの頃は。


「……あたし、高校の時の友達と連絡を断っちゃって。
会ったの七年振りなの」

「だからお互いにあんなに驚いてたのか……」

「……うん。
多分、風見君に連絡したらみんなと会えるんだけど………」


ふぅん、と久坂君がビールを飲みながら相槌を打った。


「だから、毎日あんなに悩んでたわけだ」

「……うん」

「会いたくない人でもいるわけ?」

「え……?」

「いや……俺だったら、そんなに長い間会ってない友達だったらすぐに会いたいって思うからさ」


……そうだよね。

普通はそうだ……。

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