青空バスケ―another story―

何で……ここに……。

ハル君の後ろには同僚と思われる人が数人立っていた。


「浦山、先に座ってるぞ」

「はい。すみません……」


同僚らしき人達は先に座敷の方へ上がっていった。


ハル君は黙ったままじっとあたしを見つめた……。


「あの、ハルく……」

「……聞いたよ。海里から。
二年前に帰国したこと」

「……ごめん」


……ハル君は七年前よりずっと大人っぽくなっていて……ずっとカッコよくなっていた。


……ハル君はチラッと久坂君を見た。


「……どうも」


久坂君が軽く頭を下げると、ハル君もそれを返すように軽く頭を下げた。

何となく……ハル君と久坂君の目が鋭い気がした。


「……これ」


ハル君はあたしに紙を渡してきた。

書いてあったのは、電話番号とアドレス……。


「……海里がもし七海に会ったら、渡してほしいって」


海里が……。


「じゃあ………」

「あ……待って、ハルく……」

「陽斗ー!!」


同僚がいる座敷に向かおうとしたハル君の後ろから……女の人が走ってきた。

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