青空バスケ―another story―

……店から家までの帰り道。

……あたしは人知れず涙を流していた。


さっきは涙なんて出なかったのに……。


何でだろう……。

止まらない……。


……好き。

……大好き。


やっぱり……無理だよ。


ハル君以外の人なんて……。


久しぶりに会って……分かった。


……好きなんだ。

どうしようもなく……。


他の人じゃダメ………。


ハル君にはあの人がいるって………分かったのに。


……なのに………。


……そっか。

だからあの時ハル君は……海里の連絡先だけ渡して行こうとしたんだ。


もう……あたしと話すことはないから……。


……あたしはバッグの中から手帳を取り出した。

手帳の一番最後のページに挟んである……プリクラ。


あの日……ハル君と初めてデートした日に撮ったもの……。


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