青空バスケ―another story―
「バスケ、好きなんだね」
「あぁ。
でも女の子の方は特に興味はなくてさ。
絶対好きにさせてやる!って張り切ってたよ」
好きになるよ、きっと。
ハル君のイトコ君が本当にバスケが好きなら、きっとその気持ちは伝わるよ。
あたしは二人の写真を見ながら微笑んだ。
「俺、一人っ子だから。
昔からコイツらのこと、本当の兄弟みたいに思ってるんだよ」
「そっか」
「七海は?兄弟とかいんの?」
「いるよ」
あたしもケータイを取り出して、待ち受けをハル君に見せた。
「小っちゃ。いくつ?」
「小一」
「え?
ってことは……十歳差?」
「そうだよ。
もうねー、メチャクチャ可愛いの」
小学一年生の弟。
つい最近小学生になったばかり。
可愛いことこの上ない。
「弟か~……名前は?」
「海里。海の里で海里」
「いい名前だな」
「でしょ?」
海里の名前には……お父さんのいろいろな想いが詰まってるから。
海里はまだそんなこと分からないけど、いつか分かってくれる。
お父さんがどんな気持ちで海里の名前をつけたのか――