青空バスケ―another story―
「……あ、あった。
これだ……」
タケが新たに開いたページを俺達に見せた。
そのページを見た瞬間……俺は固まった。
「お。三人も女の子いるじゃん」
「高二のクリスマスです。
臨時マネージャーで三人に来てもらったんですよ」
写っているのは部員何人かと、松山に篠山……そして七海。
「あ、この子可愛い」
「俺はこっちかなー」
「いやいや、この子だろ」
先輩達が思い思いに自分の好きなタイプの女の子の写真を指差していく。
「あ、先輩。
この子はダメっすよ」
「え、何で?」
「だって、陽斗の彼女だから」
全員がバッ!と勢いよくこっちを向いた。
「浦山、お前彼女いたのか!?」
「聞いてねぇぞ!」
言ってないし……。
ていうか……
「……“元”カノですよ。
今は……そんなんじゃないです」
自分で言っておきながら、胸が苦しくなった。
……そんな俺に香田が抱きついてくる。
「今の陽斗にはあたしがいるもんねー!」
「………………」
「陽斗?」
香田が何も言わない俺の顔を覗き込んできた。
「お前ら!!
いつまで話してるんだ!
早く仕事しろ!!」
課長が入ってきて、みんながぞろぞろと自分の席に戻って行った。
……俺はそんな中でも七海のことを考えていた。
香田が……そんな俺を何ともいえない表情で見つめていたとも知らずに。