青空バスケ―another story―
昼休みになると、真っ先に香田が俺の元にやって来た。
「今日は社内で食べるの?」
俺の机の上に置いてあるコンビニの袋を見ながら香田が聞いてきた。
「給料日前だから。
外食はキツいんだよ」
「じゃあ、陽斗の隣で食べよーっと」
俺の返事も聞かずに香田が隣に座った。
まぁ……隣で食べるぐらい、いいか。
「いつも思ってたんだけどさ、陽斗のデスクって綺麗だよね~」
「そうか?」
「うん。
書類とか散らかってないし。
んー……でも、ちょっと殺風景かな」
コンビニ弁当を口に入れながら、香田の話を聞く。
「ほら、課長さんとか先輩は子供や奥さんの写真を飾ってるじゃん?」
「俺、結婚してないし」
「……彼女の写真とかは?」
俺はチラッと横目で香田を見た。
「……彼女もいない」