青空バスケ―another story―

「……だから他の人と付き合わないの?」

「……今の俺には、アイツ以上に好きになれる人がいないから」


将来はどうなるか分からない。

……だけど、今は。

俺の中では……七海以外いない。


「……あたしは?」

「……え?」

「あたしじゃダメ……?」


香田がまっすぐ俺の方を見ながら……そう言ってきた。



「あたし、陽斗のこと好きだよ!
誰よりも好き!」

「香田……」

「入社した時からずっと好きだったんだから!
陽斗だって分かってるでしょ……?」


……分かってたよ。

あんなに分かりやすいスキンシップは今までになかったから……。


「……好きなの。
あたしじゃ……ダメ?」

「……ごめん」


俺がそう言った瞬間、香田の目が少しだけ潤んだ。



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