青空バスケ―another story―
「……気持ちは嬉しいけど、俺は香田とは付き合えない。
……ごめん」
香田が力なくイスに座った。
……その目からは涙が溢れていた。
「何で………」
「俺……こんな半端な気持ちで他の人とは付き合えない」
「あたしはそれでも……」
俺はゆっくり首を横に振った。
「香田のことは嫌いじゃないよ。
でも……恋愛感情はない」
「っ…………」
「……俺、本当に好きなんだよ。
今でも……どうしようもないぐらい」
七海のことが………。
「……忘れられないんだ。
……だったら、何とかしろよって話なんだけど。
……でも、できない」
俺は自嘲気味に失笑した。
「……アイツのことになると、本当にダメなんだよな、俺。
……何にもできない」
カッコ悪いけど……七海には本当に弱い。