青空バスケ―another story―

「……気持ちは嬉しいけど、俺は香田とは付き合えない。
……ごめん」


香田が力なくイスに座った。

……その目からは涙が溢れていた。


「何で………」

「俺……こんな半端な気持ちで他の人とは付き合えない」

「あたしはそれでも……」


俺はゆっくり首を横に振った。


「香田のことは嫌いじゃないよ。
でも……恋愛感情はない」

「っ…………」

「……俺、本当に好きなんだよ。
今でも……どうしようもないぐらい」


七海のことが………。


「……忘れられないんだ。
……だったら、何とかしろよって話なんだけど。
……でも、できない」


俺は自嘲気味に失笑した。


「……アイツのことになると、本当にダメなんだよな、俺。
……何にもできない」


カッコ悪いけど……七海には本当に弱い。
< 275 / 300 >

この作品をシェア

pagetop